富士山ダイエット2004

わ:hiro@hepo.jp

富士山ダイエット2004


2003年夏、何となく富士山に登った。
辛い数時間の後、富士山頂に立ち、そして下った。
家に帰ってシャワーを浴びて、ふと体重計に乗ったら驚いた。
「4キロもやせている!」
もしかしたら、全く新しい痩身法「富士山ダイエット」を発見してしまったのかもしれない。
これはお金のなる木・・・なのか?
というわけで2004年夏、「富士山ダイエット」を検証しました。




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●とりあえず登るか

  この4人で登ります

ある方法論を確立する為には、推論とそれを実証するデータが必要だろう。
推論は、「富士山に登って下りたら痩せる」だ。
あとはデータを集めるだけ。
じゃあ登るか。
そして2004年8月6日金曜日夜、富士山の登山口の一つ須走口(標高約2,000m)。
集まったのは自分を含め、男3・女1の計4名。その場で体重測定をすることに同意してもらう。
まあいいじゃんと。

今日の予定は「須走口を22時に出発。山頂でご来光を見て、翌日昼には下山」ということにする。
途中で泊まるのは面倒なので。



  登山後、変わり果てた体重計。でも動く

体重の測定方法はこう。
・各休憩ポイントで体重測定。体重の推移をチェックする。
・靴を脱がず、そのまま体重計に乗る。
・休憩時には、自由におやつを食ったり飲んだりし、体重を気にしない。
・体重計は実家にあった15年ものを使用。0.5kg刻みに計測可。

そして22時30分登山開始。体重は果たしてどうなるのか?




●暗闇に息遣いだけが響く

出発と同時に1回目の体重測定を行う。

▼1回目
A  74.5kg (荷物あり)
B  60.0kg (荷物あり)
C  75.0kg (荷物なし)
自分 62.0kg (荷物なし)

  真っ暗。曇りなので月明かりもない

まず森林地帯を抜ける。真っ暗だ。
淡々と歩いていてもじわじわと汗が吹き出てくる。
順調にカロリーを消費しているようだ。

23時45分。6合目着。標高約2,400m。

▼2回目
A  73.5kg (前回比-1.0kg)
B  59.0kg (-1.0kg)
C  75.0kg (変わらず)
自分 62.0kg (変わらず)

おお素晴らしい!早くも効果か!
たくさんの登山客がいる中で、粛々と体重計に乗る我々。
じろじろ見られる。

70歳の記念に横浜から自転車で来たというおじいさんに会った。
自転車を担いで山頂まで行くという。
「担いできたんだけどさー、重いんだよ」
がんばってほしい。


●ここは何合目なのか

00時30分。本6合目到着。標高約2,650m。

▼3回目
A  73.5kg (変わらず)
B  58.5kg (-0.5kg)
C  74.5kg (-0.5kg)
自分 60.5kg (-1.5kg)

  こんなふうに量ります

なかなか順調である。いい具合だ。
この調子でどんどん痩せていって欲しい。
しかし、富士山の○合目とかの基準がよく分からない。適当?
6合目の次が本6合目。次は真6合目とか?

Cがビデオカメラを持ってきていて、さかんに撮影している。
ここで撮影しても真っ暗じゃないのか?
あと、山頂までの電池は大丈夫なのか?
まだ登ります。

01時30分。7合目。約2,950m。

▼4回目
A  73.0kg (-0.5kg)
B  59.0kg (+0.5kg)
C  75.0kg (+0.5kg)
自分 61.0kg (+0.5kg)

増えた。なんでだ。水を飲みすぎたか?
理由不明。

  減ってくれ

歩いていたら、遠くから4つ打ちの音が聞こえた。
どこかで樹海レイヴやってんのかな?
あと、富士スカイラインを走る走り屋の音も聞こえた。
遠くに雷も見えた。


●増えたり減ったりする体重

02時30分。本7合目。約3,150m。

▼5回目
A  73.5kg (+0.5kg)
B  57.5kg (-1.5kg)
C  75.5kg (+0.5kg)
自分 59.5kg (-1.5kg)

  前の人のお尻しか見えない

なんか変だな。増えたり減ったり。
まあ個人差ということにしよう。
しかし眠い。歩きながら眠ってしまう。
あと、ただの7合目は「プレ7合目」とかにした方がいいんじゃないか。


03時20分。8合目。約3,250m。

▼6回目
A  70.5kg (-3.0kg)
B  56.0kg (-1.5kg)
C  72.5kg (-3.0kg)
自分 58.5kg (-1.0kg)

これもおかしい。減りすぎじゃないか?
それとも、この小1時間でどばっと消費したのだろうか?

ここから河口湖口からのルートと合流する。
一気に人が増え、登山道は渋滞し始める。
だんだん寒くなってきた。上着を着込む。

03時50分。本8合目。約3,350m。

▼7回目
A  72.5kg (+2.0kg)
B  57.5kg (+1.5kg)
C  75.5kg (+3.0kg)
自分 62.5kg (+4.0kg)

  登山のおやつにハバネロはきついです

なんだこれは。やはり前回のはおかしかったのか。
ここまでくると、地面は石でごつごつしていて、
なかなか体重計を安定させられない。それで変になったのかな…?

みんな疲れてきていて、最初はいろいろ言いながら
体重計に乗っていたのに、今は無言だ。
自分一人で「おかしいなーおかしいなー」と言っている。
なんかもう体重なんて半ばどうでもよくなってきている。 他の人たちは明らかにそう。
黙って一歩一歩進む。


●極度の疲労、ご来光、そして山頂へ

04時15分。8合5勺。

▼8回目
A  73.0kg (+0.5kg)
B  58.0kg (+0.5kg)
C  77.0kg (+1.5kg)
自分 62.0kg (-0.5kg)

これは普通か。
C氏は極度に疲労してきている。顔色がちょっとやばい。
でもそのまま進む。

ちょっとずつ空が明るくなってきた。
山頂はまだだけど、そろそろ夜明けだ。
登山道は渋滞して進まないし、ここからちょっと登ったところで
ご来光を見ることにする。

  ぱぁーっと明るくなる   光が!

雲がせりあがってくるのを間近に見ながら日の出を迎えた。
登山客からいっせいに「わー」と歓声が沸く。
陽が出ると急に暖かくなり始めた。太陽はすごい。


そして山頂着。06時00分。

▼9回目
  丸まる真ん中の人と右の人。いじられている。

A  73.0kg (変わらず)
B  60.5kg (+2.5kg)
C  75.0kg (+2.0kg)
自分 60.5kg (-1.5kg)

山頂到達の達成感と安堵感と疲労感の中で計測。
今まで以上に周囲は人人人でごった返しているが、
疲労でもうどうでもよくなっている。

計測後、お茶屋さんでカレーを食ったり、休憩。
A、Bはお鉢めぐりに行ったが、Cと筆者はダウン。
ごろりと横になり、まどろむ。


●今度は下りる、転がるように下りる
  雲の中を転がり落ちる


さて、休んだはいいが、今度は下りなきゃいけない。
身体はいやいや言ってるが、落ちるようなもんだから…と適当になだめつつ出発。

登りは7時間もかかったというのに、下りはたったの3時間。
途中で大雨が降ったりしてなかなか辛かった。なので写真撮る余裕なし。
特にCは顔面蒼白になるほど疲労困憊。
何か話しかけても返事なし。表情が「話しかけるな」と雄弁に語っている。

とにもかくにも12時00分、出発地点に戻ってまいりました。

▼最後
A  69.0kg (-4.0kg)※但し荷物なし。荷物は約2kg。計71.0kg。
B  58.0kg (-2.5kg)
C  73.5kg (-1.5kg)
自分 61.5kg (+1.0kg)

とにかくとにかく、疲れた。
なんとなく黙ったまま、帰途についた。
途中、高速のSAでカレーを食べた。



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<まとめ>



▼最初と最後の差
A  74.5kg  →   71.0kg (-3.5kg)
B  60.0kg  →   58.0kg (-2.0kg)
C  75.0kg  →   73.5kg (-1.5kg)
自分 62.0kg  →   61.5kg (-0.5kg)


合計10回の計測、そして結果はこんな具合。
…まあ、こんな具合か。当たり前だけど、食いすぎたのがよくないのかなあ。

来年もやる予定です。富士山ダイエットはまだ始まったばかりなのです。

 減らない・・・


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※登山情報はこちらのサイトを参考にしました。
【あっぱれ!富士登山】
http://www001.upp.so-net.ne.jp/fujisan/fuji-k.html
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※おまけ:本当はこうなるはずでした。

<業界騒然!今・話題沸騰の【富士山ダイエット】をご存知ですか?>

登って、下りてくるだけでカンタン・ダイエット!
しかも、ご来光まで拝める!
近い将来、必ずブームになるであろう「富士山ダイエット」を
先取りして友達に差をつけてみませんか?

▼体験者の声:
「えー?富士山なんかに登るのなんてめんどくさーい、なんて最初は思いましたが、実際に登ってみると、すごく面白くて、あっという間に終わってしまいました。これなら、無理なく続けられるわね!」(東京都・Aさん)
「つらい食事制限がないの!好きなものを好きなだけ食べて、こんなにカンタンにやせられるなんて、夢みたい!大げさかもしれないけど、自分の人生って自分で変えられるんだ!って自信もつきました」(神奈川県・Bさん)

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ではまた来年、富士山ダイエット2005でお会いしましょう。



(c)わ/hepo.jp/2004